0710(2)











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最初は同じ出だしで始まるので、Type2以降は飛ばしてくださって構いません。

※こっちはスザルルです。



















































〈七変化〉





 Type1:ワンコスザク

 今のルルーシュの恰好ははだかエプロン、と見せ掛けるのには使い古されたネタでもあるホットパンツとタンクトップだった。手におたまを持ち、カレーを焦がさないように掻き混ぜている。ぴんぽーん、と日本風な音を立ててインターホンがなる。ルルーシュは火を止め、パタパタとスリッパの音を上げて玄関へ駆けた。
 二重ロックとチェーンを外し、扉を開く。


 「ただいまルルーシュ!」
 待ち切れないとばかりに飛び付いて来たスザクをルルーシュは受け止めた。小さくキスをして、無邪気に笑うスザクを伴いLDに向かって廊下を歩き始めた。
「お帰り、スザク。お風呂にするか、夕飯が先か?それとも寝「ルルーシュと一緒にお風呂に入りたいな僕!」
 ニコニコと笑うスザクは実年齢より10は若く(幼く)見え、散歩前の犬の様に目を輝かせていた。
(ベアトリス…)
 目の輝きに、昔飼っていた犬の姿を重ねてしまい、ルルーシュは、じゃあ髪を洗ってやる。とスザクの頭を撫でた。



 Type2:子スザク

 今のルルーシュの恰好ははだかエプロン、と見せ掛けるのには使い古されたネタでもあるホットパンツとタンクトップだった。手におたまを持ち、カレーを焦がさないように掻き混ぜている。ぴんぽーん、と日本風な音を立ててインターホンがなる。ルルーシュは火を止め、パタパタとスリッパの音を上げて玄関へ駆けた。
 二重ロックとチェーンを外し、扉を開く。


「帰ったぞルルーシュ!」
「お帰りスザク。」
「ん、カレーの臭いがする!」
「香と言え!臭いだなんて失礼だぞ」
「スゲー腹減った!藤堂先生が最後まで見てくれたんだぜ!」
 ダイニングに駆け込み、先にテーブルの上に置かれていたサラダと、強くなったカレーの食欲を擽る香にうまそう!と目を輝かせる。
「こら!先に手を洗え!ついでに風呂に入ってこい!」
「えぇーーー」
「文句を言うなら、食べてもらわなくても良いんだぞ、俺は」
「〜〜〜わかったよ!ったく、偉そうに」
「わかった、夕食はいらないんだな?」
「今行こうとしてるだろ!」
「こら、服を脱ぎ散らかすな!!」
 へいへい、と返事を返す小さな子供に、ルルーシュは溜息を零す。そして、烏も真っ青な程の短さですぐに上がってくるだろうスザクの為に、カレーを温め始めた。



 Type3:ラウンズスザク
 今のルルーシュの恰好ははだかエプロン、と見せ掛けるのには使い古されたネタでもあるホットパンツとタンクトップだった。手におたまを持ち、カレーを焦がさないように掻き混ぜている。ぴんぽーん、と日本風な音を立ててインターホンがなる。ルルーシュは火を止め、パタパタとスリッパの音を上げて玄関へ駆けた。
 二重ロックとチェーンを外し、扉を開く。


「…お帰りなさい、スザク、さん」
「…只今、ルルーシュ」
 ルルーシュは恐る恐る声を掛けた。記憶を失う前は友人だったと言うこの枢木スザクはこの家の家主で、今は皇帝直属のナイトオブラウンズの一人である。
「お仕事はどうだったんですか」
「…ルルーシュ。敬語なんか使わなくて良いから」
「でも、貴方はわたしの命の恩人ですから。」
「…そう」
「お疲れなら、お風呂が先の方が良いですか?ちょうど沸いたところですけど」
「…うん、じゃあ、悪いけどそうさせてもらおうかな」
「どうぞ。」

 スザクの纏ったマントから、わずかに硝煙の香りが漂ったのに、ルルーシュは少しだけ、恐怖を覚えた。



 Type4:特派スザク

 今のルルーシュの恰好ははだかエプロン、と見せ掛けるのには使い古されたネタでもあるホットパンツとタンクトップだった。手におたまを持ち、カレーを焦がさないように掻き混ぜている。ぴんぽーん、と日本風な音を立ててインターホンがなる。ルルーシュは火を止め、パタパタとスリッパの音を上げて玄関へ駆けた。
 二重ロックとチェーンを外し、扉を開く。


「只今ルルー…「お帰り、スザク。ご飯の支度は出来てるぞ、風呂も沸いてる。どっちが先だ?」
「もう一声!」
「は?」
 AかBか、どちらかの返答が返ってくると思っていたルルーシュは面食らった顔で素っ頓狂な声を上げた。
「昔、家の母屋のテレビで見ただろ?『お風呂にする?ご飯にする?それとも』」
「『それとも』?」
「……『わ・た・し?』」
 理解した途端、見る間にルルーシュの顔が赤くなった。
「ばか!さっさと風呂に入ってこい!」
「ルルーシュ、顔真っ赤だよ」
「煩い!お前の分は俺が食べる。一生風呂に沈んでいろ!」
「ひどい!」



 Type5:KYスザク

 今のルルーシュの恰好ははだかエプロン、と見せ掛けるのには使い古されたネタでもあるホットパンツとタンクトップだった。手におたまを持ち、カレーを焦がさないように掻き混ぜている。ぴんぽーん、と日本風な音を立ててインターホンがなる。ルルーシュは火を止め、パタパタとスリッパの音を上げて玄関へ駆けた。
 二重ロックとチェーンを外し、扉を開く。


「お帰り、スザク」
「只今、ルルーシュ。今日はカレーかな?美味しそうな良い臭いがする」
「ああ、お前の好きな中辛だぞ。良い牛肉が手に入「あれ、ルルーシュ、何で裸エプロンなの」…ったからな、残さず食えよ、鍋いっぱい!」
「うん?ルルーシュの料理は美味しいよね、僕大好きだよ!」
「それはどうもありがとうそしてこれは裸エプロンなどではないぞ断じて!」
「あ、下に服着てるのか、なんだ残念だな」
「…何を期待しているんだお前は」
「え?そりゃ、新婚夫婦と言えば定番のあれでしょう」

「却下だ、カレーが冷める」



 Type6:超人スザク

 今のルルーシュの恰好ははだかエプロン、と見せ掛けるのには使い古されたネタでもあるホットパンツとタンクトップだった。手におたまを持ち、カレーを焦がさないように掻き混ぜている。ぴんぽーん、と日本風な音を立ててインターホンがなる。ルルーシュは火を止め、パタパタとスリッパの音を上げて玄関へ駆けた。
 二重ロックとチェーンを外し、扉を開く。


「お帰りスザク!」
「只今、ルルーシュ」
「先に風呂に入るか?それとも夕飯が先か?今日はお前の好きなカ「ごめんルルーシュ、夕飯は食べて来ちゃったんだ。だから、」
「そ、うか‥じゃあ、デザートだけでもどうだ?昼間にナナリーが来て、お土産にプリンを持ってきてくれたんだ」
「ルルーシュ、ごめん、本当にお腹一杯で、明日も朝早いから、お風呂に入ったら、すぐ寝たいんだよね」
「…わかった」
「ありがとう、ごめんね、ルルーシュ」
 小さくルルーシュの白い額に口付けて、スザクはバスルームに向かった。

 ルルーシュは俯いた。小さく拳を握って、衝動を堪える。
―――スザクの身体からは、知らない石鹸の香がした。

「…シャワーを浴びて来たなら、もう入る必要なんてないじゃないか…」
 呟きは廊下の隅に転がって消えた。






 Type7:ドエスザク

 今のルルーシュの恰好ははだかエプロン、と見せ掛けるのには使い古されたネタでもあるホットパンツとタンクトップだった。手におたまを持ち、カレーを焦がさないように掻き混ぜている。ぴんぽーん、と日本風な音を立ててインターホンがなる。ルルーシュは火を止め、パタパタとスリッパの音を上げて玄関へ駆けた。
 二重ロックとチェーンを外し、扉を開く。


「お帰り、スザク」
「只今、ルルーシュ」
「先に風呂が良いか?夕飯の支度も済んでいるが」
 スザクは一瞬不自然に息を呑み、言った。
「それよりも欲しいものがあるんだけど、僕」
 にこにこと笑うスザクに、嫌な予感がしてルルーシュは後ずさった。
「…なんだ?」
 だが、スザクはルルーシュが後ずさるよりも素早くルルーシュの背中に手を添えた。
「す、ザク?」
「僕、先にルルーシュが欲しいな」
 言い様、ルルーシュの白皙にかかる黒髪を指で梳いて綺麗な形の耳に掛け、顕れた耳殻を緩く噛んだ。
「っ、ダメだ、」
「どうして?こんな恰好で、僕を挑発してるみたいだよ?」
 もし今扉を開けたのが僕じゃなかったらどうするつもりだったの

 スザクは言いながら、ルルーシュのタンクトップの背中から手を入れ、背筋を撫で上げた。
「そ、んなの、ちゃんと確認するし、そんな変態みたいな事考えるの、は、お前だけだ…!」
「ふぅん、」
 スザクは一瞬、ルルーシュから見えないように笑みを掃いた。
「じゃあ何でカーテンが閉まってるの?」
 開け放たれたLDの、明かり取りの為に大きく作られた窓にはカーテンが引かれ、いつもは見える隣接されたビルの明かりも今はぼんやりとしている。
「それ、は、」
「ルルーシュが恥ずかしかったからじゃないの」
 裸エプロンみたいで、と囁き、頬を赤く染めたルルーシュに、今日はベランダで君を抱こうか、と呟いた。びく、と身体を震わせたルルーシュに、スザクは笑う。
「ルルーシュは、恥ずかしい方が感じるんだろ?」
 いっぱい気持ち良くしてあげる、と低く囁き、わざと音高く首にキスを落とした。

「…っ、今日は、お前の誕生日だから、」
「うん」
「お前の、好きにすればいいだろっ」
 ルルーシュは羞恥を隠すように、言葉の最後と同時に目の前に見えたスザクの首筋に思い切り噛み付いた。

 一瞬襲った痛みに、スザクは眉を寄せた。けれど、自分と違い滅多に痕を遺さないルルーシュが表した欲に、自然な笑いがこぼれた。
 更に俯いてしまったルルーシュと身体を離し、顔を上向かせて今度こそ唇に口付けを落とす。
「…ありがとう」
「誕生日、おめでとう、スザク」

「君から誘ったんだから、今夜は覚悟してね」
「…ほどほどにな…」
 ルルーシュは遠い眼をして、はは、と笑った。


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20080710



お目汚し失礼しました!

そしてさらに言い訳させてもらうと、
Type1のルルーシュの遮られたセリフは
「お風呂にする、ご飯にする、それとも寝る?」
という、某●リフターズの研●オコさんのセリフです。(最初は7人全員に対してこう言わせようと思った、ら筆が滑った)

というわけで、新婚+七変化+誕生日ネタでした。

そして超人は超人でなしの方で!書いてて一番楽しかったかもしれない…



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