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30分だけ、と言いながら眠りに着いたルルーシュを、スザクは翡翠の瞳で見守って居ました。
スザクは鼠です。けれど、この一年はだれよりも近くでルルーシュを見守って来ました。
ルルーシュのお義母さんがルルーシュに辛く当たる理由。それがスザクには何となくわかります。
(お義母さんはね、ルルーシュのお母さんに嫉妬してるんだよ)
ルルーシュが美人さんだから。
スザクはルルーシュが好きでした。
今は、疲れてへとへとになるまで働いている毎日です。ここに初めてきた時には白魚のように細かった指は、今は少し荒れてしまっています。時々義妹がローションをくれるようで、それほど酷い事にはなっていませんが、ささくれが出来て痛そうです。ストレスがたまると体重が減る傾向があるらしいルルーシュは、一回り小さくなった気さえします。
今だって、何もないところで転ぶ位、疲れ切ってしまっているルルーシュ。
それでもルルーシュは、先程のように、自分の身を犠牲にしてでもスザクのような小さな命を大切にしてくれます。
だから、スザクはルルーシュが好きで、そして辛かったのです。
スザクはルルーシュの手伝いがしたかったのです。けれど小さな鼠の身の上では、手伝いをすることはおろか、慰めて上げることもできません。
自分が人間だったら、と何度夢想した事でしょう。けれど、鼠は鼠のまま、一生鼠のままでいるしかないのです。
スザクは日々、歯がみをしながらルルーシュを見守っていました。
―――いえ、見守る事しか出来なかったのです。
取りあえず、今は30分、ルルーシュを見守るのがスザクに出来る精一杯なのでした。
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200706XX
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