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「うわぁぁぁぁ!」
「ちょ、スザク君は外に出ていて!」
「はぁ。あ、いやそれより、来客です!」
「待たせておきなさい!」
「でも、お城から来た使者の方です。今は外でお待ち頂いておりますが、」
「んもう!ルルーシュ!後で詳しい話は聞くからね!早く服を着なさい!」

 ミレイはそういうと、玄関に向かいました。
 残されたルルーシュとスザクは気まずい思いのまま黙り込みます。

「…ごめん、僕、外に出るから」
 服を着て?と曖昧に笑ってスザクは踵を返しました。

 パタンと音を立てて扉がしまった後、ルルーシュはずるずるとその場に座り込みました。
 しられてしまった。
 義母に。

 しかも、最悪のタイミングで。

 数日前、熱に浮かされていた時に聞いた言葉が、今になって鮮明に蘇ります。

 あと二日だ

 シュナイゼルが捜している

 お前が守れ。


 ルルーシュは先程の彼の声を思い出しました。
 消沈した声に聞こえました。
 そして、ルルーシュは、はっとします。

 翡翠の優しい、大きな眼。
 ミレイの呼んだ名。

(「………君、」)

 気付けばルルーシュを見守ってくれていた、優しい眼。

 その暖かさを感じれば安らげるのだと告げると、小さな身体には恐ろしいだろうに、眠りに付く時には体温を貸してくれた、小さな゛友達゛。


「そうか」

 なんだ。


 部屋に戻ろう。
 誰かに見つかる前に。

 ルルーシュは濡れた服を変え、部屋に戻りました。


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200706XX

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